古来より人々に愛されてきた宝石が数多あるその一方で、20世紀以降も少なくない数の宝石が新たに見つかっています。
今回はそんな新入りに分類される、
ちょっと珍しい石のお話です。
商品名 ラズベリル
鉱物名 ペツォッタイト
産地 主にマダガスカル
モース硬度 8
*性質上、流通する殆どのものに含浸処理(オイルリング)が施されている
(出典 : 「世界の天然無処理宝石図鑑」 柏書店松原)
2002年にマダガスカルで見つかったラズベリー・ピンクのこの石は、翌年のツーソンショーにて「ラズベリル」の名で華々しいデビューを飾りました。日本でも大手新聞社に大きくその名が報じられ、石好きの間以外にも広く知られるようになります。
ですが、この石はとにかく産出量が少ない上にカットを施せる程透明度の高いものとなると、本当に一握りでした。その為、一時は時の人(?)になったもののあっという間に一般市場からは姿を消し、今では知る人ぞ知る稀少石となってしまいました。写真のルースは0.382ctですが、今市場に流通しているものは、恐らく大きくても1ctぐらいのものが殆どだと思われます。
また、インクルージョンが多い事も特徴で、ルースによってはキャッツアイ効果も楽しめます。
2003年に国際鉱物学協会によりベリル鉱物の新変種として認められ、「ペツォッタイト」と命名されたこの愛らしい宝石に実際に出会えたなら、その輝きを是非とも堪能してみて下さい。
また、稀少石のルースを手に入れた際は、個人的にソーティング又は鑑別書を作成することをお勧めします。
別料金がかかる事が殆どですが、石の身分証のようなものですので、手持ちの石の管理に非常に役立ちます。
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プロフィール:パライバトルマリンの輝きに魅せられ、気づけばレアストーンマニアの道に。