- コラム -

甘水の我流鉱物コラムNo.5

どーもー。甘水です。
前回告知した通り、今回は屈折率について解説いたします!

屈折率とは?

屈折率とは、ズバリ光を中で屈折させる割合のこと!

そもそも、何で宝石ってキラキラしてるのか?

それは外から入ってきた光が宝石の中で反射され屈折し、その先で再び反射され屈折し、またその先で反射され屈折し……というのを繰り返します。この現象が人間の目に輝きとして見えるのです!宝石にカットを刻むのは、面を増やして屈折を多くするため!

でも、ダイアモンドとかサファイアって透けてますよね?という事は、ある程度の光は反射されずに宝石の外へスルーしていきますよね。つまり、宝石に透明度がある限り、宝石の中で光を反射させる力には限度があるという事です。

この光を反射させる力の度合いが屈折率です!

つまり、屈折率が高ければ高いほど光を反射させる力が強いので、単純に考えるとバチバチ輝くという事になります(複屈折や分散光など、例外はありますが)。

屈折率の数値

では、そもそもどのぐらいあれば屈折率が高いと言えるのでしょうか?
実際、ジュエリーコーディネーター3級のテキストに掲載されている宝石(30種類ぐらい)で調査しました。

まず、屈折率が最も低かったのはクォーツの1.548で、最も高かったのはダイアモンドの2.147でした。ちなみに二番目に屈折率の高いジルコンは1.954で、その差は0.2もあるのです!ダイアモンド、マジパネェ。

平均値をとると1.725で、中央値は1.672になりました。何かずいぶん差が……。ちなみに圧倒的な屈折率であるダイアモンドを抜いて平均値をとると、1.686に下がります。ダイアモンド、マジパネェ(二度目)。

なので大まかに考えると、だいたい屈折率は1.7~1.6が一般的で、それ以上は割と高め、それ以下は割と低め、という事になります。そして、2まで行くと屈折率ヤバいという事になりますね(笑)

ちなみに、主要な宝石の屈折率は以下の通り↓

サファイア:1.762~1.770
ベリル:1.577~1.583
トルマリン:1.624~1.644
ペリドット:1.654~1.690

改めてダイアモンドすげぇ。

屈折率による見た目の影響

じゃあ、屈折率が高い方がいいんだ!
と思うのはまだ早い!

では、屈折率の高低によってどのような違いがあるのか?実際に見てみましょう!

下に書いてあるのが宝石名で、()の中に屈折率が書いてあります。要は右から低い順に並んでます。

もしかしたら画像では少々わかりにくいかもしれませんが、屈折率の低いアイオライトは輝きよりも透明感の方が強く表れています。そのためナチュラルで大人しい印象があります。一方、屈折率が上がるにつれて透明感は薄れていき、輝きの方が強くなります。スフェーンぐらいになると少々透明感が感じにくいかもしれません。なのでくっきりと力強い印象を受けます。

この結果からおおざっぱにまとめると、屈折率が低ければ低いほど透明感が強調されるので、穏やかで自然な印象に、高ければ高いほど輝きが強調されるので華やかでゴージャスな印象になります!

なお、これは甘水の個人的な見解もありますが、おおよそこのような感じであると考えていただけるとありがたいです。皆様も宝石を見る際には、ぜひ屈折率にも注目してみませんか?

さて、次回はあの有名宝石にそっくり?なダイオプテーズについて語ります!
以上!ありがとうございました!

この記事を書いた人:甘水 甘 

プロフィール:小説書いたり音楽作ったりしてます。現在、人工的に音声を作ろうと奮闘中。鉱物とウミウシが好き。Twitterにて詳しい活動を告知してます。Twitter:@kanshikironri